- 英語が聞き取れない
- 留学してるのに周りが何を言っているのかさっぱりわからない
- リスニングの点数が伸びない
数ある英語学習法の中で、存在を知られながらもあまり脚光を浴びていない方法があります。
それが、ディクテーション。
ネットで調べても、検索候補に「ディクテーション 意味ない」とか出てきますものね。
こんな結果を見たら、じゃあやらなくてもいいかなと思うのも無理はありません。
しかし、ディクテーションはわたしが最もおすすめする英語勉強法のひとつです。
なぜなら、ほぼ丸腰で(あまり準備せずに)挑んだカナダ留学での「聞き取れない」ストレスを和らげてくれたのがこのディクテーションという方法だったからです。
今回は、カナダでわたしを救ったディクテーションの効果とやり方を解説します。
もしも今、英語が聞き取れない、話せないという悩みを持っている方はぜひ最後まで読んでくださいね。試して損はありませんし、何ならやらないと損しますよ!
「英語ができるようになりたいです。何をすればいいですか?」と訊かれると、必ずディクテーションを勧めるのですが、実際はあまりやる人がいません(後述します)。
Contents
ディクテーションとは?書き取るだけでリスニングに効果あり
ディクテーションとは「書き取り」のことです。
聞こえてきた文章を、ひたすら書き取っていきます。
もちろん、会話のスピードで書き取ることはできませんので(日本語でも無理ですよね)、少しずつ聞いて少しずつ書いていくことになります。
最初は全然書けません。まずびっくりするくらい聞き取れません。
しかし、根気よく続けていくことで、呪文のように聞こえていた英語が入ってくるようになりました。
ホストマザーとの楽しい時間が地獄だったのがきっかけ
わたしがディクテーションを始めたきっかけは、カナダ留学直後に陥った「聞き取れない地獄からの脱却」にもがき苦しんだことでした。
留学して1週間、授業中は「日本人らしく」あまり発言せず、放課後は自宅で大人しく宿題をこなしながらネコを撫で、ホストマザーの帰りを待つという生活を続けていました。そこまでは何とか乗り切れていたのですが、問題がひとつ。ホストマザーとの夕食の時間です。ネイティブスピーカーとサシで食事。緊張します。
今日はどんな日だったのか、学校で何をしたのか、自分から話すことはできます(おそらくメチャクチャな英語)。しかし、ホストマザーが訊いてくれることに答えられない。なぜなら、聞き取れないから💧
何度も聞き返すわたしに、ホストマザーは根気よく付き合ってくれて、それが更に焦りと罪悪感を増幅させるという、悪循環。
いいかげんに何とかしたい!!マザーと会話しながらにこやかに過ごしたい!!
そこで「聞き取り強化」に使ったのが、ディクテーションでした。
当時2005年、ステイ先にWi-Fiがなかったし、スマホもなかったので、今みたいに簡単に検索して解決方法を調べることはできませんでした。なので、まずは「何がどう聞き取れないのかを知ろう」と思って、検証に使ったのが「聞こえたことを書き留める方法」。それが、ディクテーションだったのです。
日本から持参した本とCDで始める
カナダ留学にあたり、日本から何冊か本を持っていっていました。
どれもCD付きで、簡単な文や会話の本でした。
わたしが使っていたのはこの本です。いい本なのに残念ながら絶版になっていますね。
CDを聞いて、それをノートに書き、答え合わせをする。
たった3つの工程でしたが、何を聞き取れていないのかを確認するにはこれ以上の方法はありませんでした。
わたしがやっていたディクテーションの方法
では、わたしが実際にカナダでやっていたディクテーションの方法を紹介します。
やりやすさは個人差があると思いますが、簡単に言えば、聞こえたものを書き取ってみて、合っていたかどうかを確認する、というだけの流れです。
音源を用意する
まずは、ディクテーションに使うための音源選びです。
いきなりニュースなどの難易度が高いものではなく(挑戦したい気持ちはわかります)、短くて簡単なものを選びましょう。書き取ったものとの答え合わせがあるので、スクリプトがあるものを選んでください。
TOEICを勉強中の人なら、リスニングセクションのテスト音源を使えば試験勉強も一緒にできるので効率的です。
例えば、Part1の写真描写問題は、1問に4つの短い文章があるので、それを書き取ってみてください。
(結構できなくてびっくりすると思います)
また、英会話を覚えたい人なら、こちらの動画がおすすめです。
文章を一度通して聞く
最初に文章全体を聞きます。覚える必要はありませんが、集中して聞いてください。
もう一回聞いて書き取る
もう一回全体を聞いて、書き取ってみましょう。
わからなかったところは、カタカナでOKです。聞こえた音のとおりに書きましょう。
細かく分けて聞きながらチェックする
数単語ごとに一時停止し、修正します。
全体を聞いて確認する
最後にもう一度聞いて、書き取ったものをチェックします。
答え合わせをする
聞いた音源のスクリプトを見ながら、もう一度文章を再生して、自分が書き取ったものと答え合わせをします。
やることはこれだけです!
自分にはこう聞こえていたものが、実際にはこう言っていたのか、というその違いに驚きながら、自分の聞き方のクセを知ることができたのが大きな収穫でした。
約2週間で聞き取れる音の幅が広がったことを実感
わたしは、これを毎日帰宅後に繰り返していました。
すると、2週間ほどで英語の音に慣れてきて、雑音だった英語が少しずつ音のかたまりで入ってくるようになりました。
短い時間でも、集中して聞く時間を取ったので、その時間以外に聞こえる英語も意識して聞くようにもなりました。
1日に費やした時間は、平均10〜20分程度だったと思います。集中してやると1時間を超えていたこともありますが。それは「今日は1時間以上ディクテーションをしよう」ということではなく、集中していたらあっという間に1時間経っていた、というだけです。
スピーキングにも効果が現れ始める
同時に、スピーキングにも効果がありました。書き取っているだけなのになぜ?と思いますよね。
それは、書き取っているときに自然に声が出ていたからです。
最初は気づいていなかったのですが、聞いた英文を、自分の口で再現しながら書き取っていたのです。ブツブツ言いながら書いていた、ということですね。
書くたびに声が出て、自然に音源の真似をしていたので、結果として発音やイントネーションが入ってきたようです。
最終的に、書き取った一文を最初から最後まで音読で仕上げる、という流れになっていたため、英語の口の使い方のトレーニングにもなりました。
聞き取れない部分がクリアになるし、発音やリズム、文法も覚えられるし、ディクテーション最高じゃん✨と思って夢中でやっていたことを思い出します。
実際に、ディクテーションをやった日の夕食は、いつもより英語が話せている気がして、マザーにもどんどん話しかけられるようになりました。地獄と感じていたディナータイムは嘘のように一日の楽しみな時間になりました。
なぜやらない?ディクテーション
こんなにも効果があって、わたしの留学生活を救ってくれたディクテーションですが、英語の効果的な勉強法としては、シャドーイングなどに比べてあまり人気がありません。
「どうやって英語を勉強するといいか」を人に訊かれると、わたしは必ずディクテーションをおすすめするのですが、たぶん今までこれを教えた人、ほぼ全員やってないと思います。
それは、地味で面白みがないから。
そう、ディクテーションは地道な作業の繰り返しなんですよ。正直、シャドーイングなどに比べるとやってる感は少ないし、地味で面白みがないし、時間はかかるし、めんどうくさいんですよね。
だからみんなやらない。
でもわたしは、心からおすすめします。
みんながやらないことだからこそやってほしいし、地味でめんどうくさいことだからこそ。試してみてほしいと思います。
ディクテーションを「意味ない」ものにしない注意点
いいことづくしのディクテーションですが、実行するにあたって注意点があります。これをしてしまうと、「ディクテーション 意味ない」という結果になりますので、気をつけていただきたい点をあげますね。
書き取ることが目的ではない
まず、ディクテーションをする目的を見誤らないことが大事です。
書き取りをするんだから、と、完璧に書き取ることを目的にしてしまうことがありますが、それは違います。
一言一句間違いなく聞き取って、それを書き取る必要はありません。
英語の何が、どう聞こえているのかを確認することが目的なので、スペルミスがあったり、聞き取れなくてカタカナが多くなってしまったりしても気にしないでください。
同時にスペリングも覚えられればそれに越したことはありませんが、ディクテーションの目的ではないので、そこをあまり重要視しなくて大丈夫です。
文章を丸ごと覚えようとしなくてよい
書き取るときに、聞いた文章を丸ごと覚えて書こうとすることがありますが、それも時間がかかるだけなので、しないてください。
やり方のところにも書きましたが、短く切りながら(一時停止しながら)進めるので全く問題ありません。
同じ時間をかけるなら、答え合わせが終わった段階で、何度か音読を繰り返すほうが、英文が身体に入ってくるのでおすすめです。
いつまでもディクテーションをやらなくてよい
ディクテーションに慣れてくると、聞き取れる範囲が広がり、間違いが減ってくるので、ディクテーション自体が面白くなって、ずーっとディクテーションだけやってしまうことがあります。
しかし、あくまでも「英語を聞き取れるようになるための対策」なので、ある程度聞き取れて、相手が何を言っているのかわかるようになったら必要ありません。
わたしの留学時は、だいたい3カ月である程度聞き取れるようになったため(現在完了形のhaveの’veの部分まで拾えるようになっていました)、ディクテーションはあまりやらなくなりました。
IELTS試験の準備のために、どうしても聞き取れないところだけ集中的にやることはありましたが、ある程度聞き取れるようになったあとは、別のことに時間を使うほうが効率的に英語を学べると思います。
もちろん、3カ月ですべてが聞き取れてすべてがわかる、という状態にはなれませんが、ホストファミリーとの会話や、語学学校の授業的には問題なく過ごせるようになり、「聞き取れない地獄」からは抜け出せていたような気がします。
まとめ:ディクテーションはおすすめの勉強法で「意味ない」は間違い
検索するとなぜか「意味ない」と言われがちなディクテーションについて書いてきました。
TOEIC455点で始まったカナダ留学は、ディクテーションのおかげでリスニング力が上がったことにより3カ月の時点の模試で600点は余裕で取れるようになっていました。
母音がハッキリしている日本語とは違い、英語の音は日本人にとってはかなり曖昧に聞こえます。が、喋っているほうはハッキリ発音しているのですよね。その曖昧な音がなんだかわからない・・・と、留学後しばらく悩んでいましたが、その悩みもディクテーションで解消できたと思います。
最初はうまくできなし、地味な作業でうんざりするかもしれませんが、実は効果絶大。
英語の最初のつまずき、「聞き取れない」悩みからの脱却が大きく望めます。また、スピーキング力アップにも効果がありまですので、ぜひ挑戦してみてほしいです✨
今日から始めて、英語力を向上させましょう!