- スピーキングのため、勉強を続けているのに成長を実感できない
- 喋っているけど間違いが気になって集中できない
- 自分より英語力がない人が自分より喋っていてモヤモヤする
英語のために日々時間を取って勉強しているのに、伸びを感じられないのはストレスですよね。
すぐに上手になるものではないとわかっていながら、「成長を感じる瞬間」を待ち続けるのはつらいものです。
そんな方々のために、この記事では英語学習中に無意識にやってしまっていることを、スピーキングが伸びない人の特徴として4つあげていきます。
「伸びない人の特徴」だから、それをやめれば上達していきますよ!自分でやってしまっていることがないか、振り返りながら読んでくださいね。
Contents
前提:英語を話すためのトレーニング(練習)ができているか?
さっそく本題に入りたいところですが、まずこの記事の前提をお話します。
それは、スピーキングのための練習ができているかどうかです。
勉強じゃなくて、練習。
これは、実際に人との会話でなくてもよくて、音読をしているか?英語でひとり言を言っているか?リピーティングやオーバーラッピングをしていますか?座学じゃなくて、実際に口を動かしていますか?
もしも全然やってないよ!ということなら、やりましょう。
(練習のやり方は別記事で書きます)
今回の記事は、勉強も練習も自主練もしているのに、何ならオンライン英会話もやってるのに、全然うまくなっている気がしないという方向けの記事です。
特徴1:恥をかきたくない
まず、「恥をかけない人」「恥をかきたくない人」はスピーキングが伸びません。
だって、喋らないから・・・。
カナダの語学学校に行っていた時のことです。
ハリファックスは留学生にとってマイナーな都市とはいえ、語学学校に行けばそれなりに日本人がいます。
冬だったので留学生の数は少なめでしたが、クラスに3〜4人は日本人がいました。
でも、みんな喋らないんですよね。語学学校なんて、間違うことについてはいちばん安全な場所なのに。
語学学校の授業は、ただ聞いているだけでなく「あ!」と思えばすぐに発言できる環境です。
しかし、先生に指名されないと発言しない日本人のなんと多いことか!
対して、授業中ずっと喋っている人もいました。ブラジルから来ている彼は、英語力も高く、何についても堂々と話していました。彼はもう何カ月もそこで学んでいると聞いて、なるほどと思っていたのですが。
ある日、先生が彼にインタビューしました。どうやって毎日を過ごしているのかと。
彼は、「僕は間違いを恐れない。毎日たくさん話してたくさん失敗をして、それを周りに教えてもらう。そうすることでしか学べないから。ここにいるみんなは、僕は英語が上手くていいなと思ってるかもしれないけど、今だって失敗の連続だよ」
みんなはフンフンと聞いていましたが、その時先生と目が合いました。
先生は何も言わなかったけれど、「わかっただろ?もっと喋らないと成長しないよ」と、その目は明らかに言っていました。
その日を境に、わたしは人からどう見えようが「どうでもいいや」という気になり、喋り始めました。
思っていたより失敗は多いし、ひどい間違え方もしましたが、語学学校の先生やホストマザーががぜん協力的になったのを覚えています。
日本では、間違うことは恥ずかしいという認識があります。
学生時代、授業中に間違い発言をすれば、後々までいじられることもしばしば。
「失敗を許す文化」ではないんですよね、全体的に。
だからみんな喋らない。でもそんなのもったいないです!
正直、間違うことは恥ずかしいです(自分ではね)。でも、客観的に見ると、新しい言語を学んでいる人が間違うなんて、あたり前のこと。
それを恥だというなら、どんどん恥をかいていきましょう!
ここを乗り越えないと、スピーキングは伸びません。
試しに、日本語のことを考えてみてください。
基本的には「間違えないように」じゃなくて、「伝わるように」話しますよね?
(日本語ネイティブのわたし達だって、間違った日本語を話すなんてしょっちゅうです)
外国語を学んでいるんだから、間違えながら進むのは当然です。
「失敗せずに英語を話せるようになりたいです」なんて、図々しいことこの上ないです。
あきらめましょう。
特徴2:英語警察になる
特徴の2つ目は、英語警察になってしまう、です。
英語警察とは、簡単にいうと「人の英語のあら捜しをする人」のことです。
不思議なことに、日本人が英語を話すことについて、突然厳しくなる日本人がいます。
普段はそんなことないのに、なぜか日本人の英語になると完璧を求める人達。
直接本人に言うというより、SNSで誰かがかいたり喋ったりする英語を取り上げてなんだかんだ言うって感じですかね。
何なんでしょう。暇なんでしょうかね。
以前、アメリカのトランプ前大統領が新型コロナウィルスに感染した時、日本の菅前総理大臣がTwitter(現X)でお見舞いツイートをしたことがありました。2020年10月、前回の大統領選挙の真っ只中で大変だったでしょうね。
Dear President Trump,
I was very worried about you when I read your tweet saying that you and Madam First Lady tested positive for COVID-19. I sincerely pray for your early recovery and hope that you and Madam First Lady will return to normal life soon. https://t.co/KcZHxqzhNg— 菅 義偉 (@sugawitter) October 2, 2020
正直・・・、うっかり事故に巻き込まれた総理が気の毒でした。
わたしがこのツイートを見たのは、「菅総理の英語がどうこう」という記事が新聞に載ってからでした。I was very worried about・・・の、WASが過去形なので、まるで今はもう心配していないかのように見える、とかなんとかが問題とのことでした。
たしかにWASは過去形だし、過去のことを言っているのだから、今は違うというニュアンスがあるかもしれないけど、後からwhenが続いている文だからこれでいいのでは?と、わたしは思いました。時制の一致もおかしくないし(もしかしてreadを現在形のreadと解釈したか?)別に不自然でも失礼でもありません。
Madamというのはちょっと大げさな言葉に見えるなぁと思いましたが、ファーストレディーのことをこう呼ぶのね!とむしろ勉強になった気持ちでした。
わたしはこのツイートについて、オンライン英会話の当時の先生達(カナダ人とアメリカ人)にそれぞれ訊いてみました。なにかおかしいところがあったのでしょうか?
別にどこも問題ないでしょ!Madamの代わりに、the でいいかな、とは思うけど
Madam First LadyよりもThe First Lady のほうがしっくりくるな。もしも直すとしたらそこだけ。英語が母国語じゃない人が書いたんでしょう?意味は伝わるし、丁寧だし十分じゃない?と。
次に、アメリカンの先生に訊いてみました。
なにも変なところは見つからないけど。ただひとつ、Madamはちょっと大げさかな
カナディアンとまったく同じ意見でした。
お見舞いの気持ちが感じられるし、尊敬の気持ちもある。何が問題かわからないと。
そして、うちの大統領のツイートのほうが恥ずかしいわ、とも。
くだんのWASについては、その時(感染のツイートを読んだとき)心配した、ということで、さらに I pray forで現在形を使っているから今も心配している気持ちは十分伝わるし・・・。何がいけないの?ただ突っかかりたいだけ??と。
確かに、少し英語ができるようになってくると、他の人の英語が気になり始めるんですよね。気持ちはわからなくもないです。
でも、他の人の英語と同じくらい自分にも厳しくなるので、結果として間違いを恐れて話せなくなります。
英語警察になんて、なっちゃいけません。他人の英語は、自分の英語を伸ばすために使いましょう。
だいたい英語上級者の人や、ネイティブスピーカーは、誰かの英語の間違いなんて気にしないです。
他人の英語が気にならなくなってきたら「あ、自分は伸びてきたのかな」と思ってOK。どうしても気になってしまうなら「まだまだ」ってことですね。
自分のことに集中して、自分の英語、伸ばしていきましょう!
特徴3:英語警察を恐れる
3つ目の特徴は、英語警察を怖がる、です。
上記のように、英語警察は、います(主に日本に・・・)。そして、たいていは小物です。
「日本人は、ほかの日本人の英語の判定に厳しい」のは上に書いたとおり。
はやくは中学校の英語の授業中。誰かが英語風に正しく発音すると周囲から顰蹙を買います(わたしの時代だけ?)。
それなのに、学生や社会人になって、実際に英語を使って何かしなくてはいけないときにカタカナ発音だとまた周りに何か言われます(めんどくさい・・・)。
英語ができない日本人という国民性?劣等感なのか?なにかにつけて他人の英語に口出ししてきますね。
わたしのカナダ留学時代も、わたしの英語やTOEICの点数にいちいち何か言ってくるのは日本人でした。
そんなの気にしていたら、やりたいこと何もできません!
英語警察、恐るるに足りず、です。
特徴4:「なぜ」にこだわる
最後の特徴は、「なぜ」にこだわってしまう、です。
これは、スピーキングに限った話ではなく、英語全般に言えるものでもあります。
英語にはたくさんの例外があります。もちろん日本語にもあります。
例えば、よく使う比較級 /最上級で考えてみましょう。
big / bigger / biggest (大きい の比較級と最上級)
ざっくり短い単語は、erを付けると比較級、estを付けると最上級になります。
bigはダブルgになるのでちょっとややこしい例ですが・・・。
beautiful / more beautiful / most beautiful(美しい の比較級 / 最上級)
ざっくり長い単語には、er / est ではなく、moreを付けると比較級、mostを付けると最上級になります。
しかし、fun (楽しい)という短い単語の場合は、なぜか
fun / more fun /most fun になるのです。
なんで?
(知りません)
そうなるから、そうなんです。そのまま覚えて使えばいいのです。
ここで「なぜそうなるのか」にこだわると、時間のロスになります。
日本語で考えてみましょう。
1から5までを口に出して数えてみましょう。
いち・に・さん・し・ご
では、今度は逆から数えてみましょう。
ご・よん・さん・に・いち
なんで、4は往きは「し」なのに帰りは「よん」なの?
なぜかわかりますか?
(わかりません)
※往きは「し」の代わりに「よん」で数えることもできますが、どっちにしても帰りは「し」とは言いません
これについてあなたが日本語学習者になぜと訊かれたら、「なんでだろ。でもそうだから覚えちゃうほうが早いよ」と答えるでしょう。
同じことです。
この「なぜ」にこだわる現象は、初学者の方に多く見られます。
文法に公式がある場合は、理屈がわかっているほうが覚えやすいことがありますが、例外に対してなぜなぜ言っていても学習が進みませんので、そこはさっと覚えてしまうほうが上達しやすいです。
大切な時間を使うべきなのは、ここではありません。
まとめ:スピーキングを伸ばしたかったらこの逆をやればいい!
ここまで、スピーキングが伸びづらい人の特徴を4つあげました。
伸びない人の特徴がわかったのだから、この反対をすればスピーキングは伸びます。
1️⃣ 恥をかけない・かきたくない
→ どんどん話して失敗してください!
2️⃣ 英語警察になる
→ 他人の英語を気にしている場合じゃありません!
3️⃣ 英語警察を恐れる
→ 何か言われても、しょーもない人のことは気にしない!英語警察よりあなたのほうがえらいです。
4️⃣ 「なぜ」にこだわる
→ こだわるのはそこじゃない。素直に覚えて先に進みましょう!
ここまで長々と書いてきましたが、実はすべてかつてのわたしに当てはまることです。
さすがに英語警察になってSNSに書き込んだことはありませんが、文法も発音もあまり上手じゃない人がどんどん喋っているのを見て、悔しい気持ちがあり、心の中で英語警察になっていました(言わなくてよかった・・・!)。
英語学習中は、つい周りと自分を比べて落ち込んでしまったり、どうでもいいことで時間を無駄にしたりしがちですが、なかなか伸びないな、と思った時に今回あげた4つをやってしまっていないか振り返ってみてくださいね。
以上、英語スピーキングが伸びない人の特徴4選でした!